ども、駐夫のらーにゃです。今回は”駐夫”についてまとめます。
「駐夫ってなんなの…?」
最近、駐夫という存在に注目が集まっていることはご存知でしょうか。
「駐妻」や「駐在妻」という言葉は聞き馴染みのある言葉かもしれませんが
それの逆で妻に帯同する夫のことを「駐夫(駐夫)」と呼びます。
「そういえば、妻は海外思考が強い…」
「妻が家族で留学に行きたいといっている…」
これらにピンとくる人は、今後、駐夫になる可能性があるかもしれません。
今回は、この「駐夫」とは何か。実際に駐夫になってみての心情の変化や
今後のキャリアの可能性や留意点についてまとめます!
駐夫「らーにゃ」× ママ留学生「こっこ」夫婦です
●妻:マギル大の大学院生、世界中の学生と交流中!
●夫:英語が超ニガテ、海外生活になり悪戦苦闘中!
●子:娘(6歳)と息子(4歳)、現地の学校にて成長中!
Contents
駐夫とは何か
まず、そもそも「駐夫」とは何か。
一言で言うと「妻の海外駐在/海外留学に帯同してついていく夫のこと」です。
この「駐夫」というものが東洋経済などの主要メディアでも発信がなされ目立ちはじめています。
(参考リンク:「妻の海外駐在」に帯同した夫が直面する切実問題)
Googleトレンドをみていても2017年あたりからじわじわと興味を持つ人が増えています。
では、この「駐夫」というものが、なぜイマ、注目されはじめているのか。
この言葉の背景から整理します!
一般的にはまだ知名度が低いコトバだけどね。
駐夫が出てきた背景
駐夫が出てきた理由には、大きく2つあります。
- 女性の社会進出の活性化
- 男女平等を重んじる空気感
「女性の社会進出」や「男女平等」という言葉は誰しも聞き飽きるほど耳にする言葉ですが
実際に、これが現実になってきたのは、ここ最近です。
事実、内閣府の調査(男女共同参画社会に関する世論調査 2022)をみると
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方はこの30年で真逆(反対30%→反対70%)に変わってきています。
そのため
「男=海外で派遣され稼ぐ、女=それをサポートする(駐妻)」
という役割もだんだんと変わってきていると考えられます。
なるほど、日本もだんだんと変わってきているんだね
それでも駐”妻”がまだまだ多いワケ
変化しているとはいえ、現状の数でいえばいまだに「駐夫 <<< 駐妻 」の状態です。
実際、労働政策研究・研究機構の調査(海外派遣勤務者の職業と生活に関する調査結果 2006)によると
海外派遣者の帯同者の割合はなんと「男性:女性 = 0.5% : 99.5% 」と圧倒的です。
そのため、男女平等が進んでいるとはいえまだまだ
「帯同する人=妻」
であり、異国で家庭を守るのが女性の役割というのが現状のようです。
これは、おそらく男性の家庭参画の意識の低さ (女性がやるものという考え方) が前提にあると思われます。
著名人もこんな発言をするなど、日本は主要国の中でも男性の家庭参画の意識の低さはワースト1のようです。
ただ、先にも述べた通り、日本人の考え方やキャリア観は変わりつつあるので
従来の役割・働き方から、どんどん変わっていくと考えられ
「駐夫」は今後だんだんと増えていくと考えられます。
駐夫になって分かったコト
では、次に実際に駐在になってみてどうなったのか。
モントリオールに住み始めて、今まで感じたコトがない変化を多く経験しています。
色々な変化がありますが、大きく3つに絞って触れていきます。
同じ、同志の人には色々と伝えたいコトが山ほどあります…!
変化①:コミュニケーションに関して
まず「コミュニケーション面」に関してです。
結論から言うと、ワタシにとっては語学が超ボトルネックです。
今回、カナダのモントリオールにきたのですが、
この街はなんとフランス語が公用語です。
英語すらろくにできないワタシにとっては無理ゲーでしかありません。
ただ、当然、街では英語も通じるわけですが、そもそもの英語もニガテかつ
基本的な表記が全てフランス語(英語も小さく併記)されており、意味不明な感じです。
全く理解できない内容が、どんな場面でも必ず出てくるのはストレスです。
文章の解読であれば、「Google翻訳(特にカメラ)」という神アプリを使えばなんとかなります。
ただ、不意に電話がきたり、訪問営業されたりすると、お手上げ状態です。
こんな感じで、語学ができないことによる日常のストレスが一番のネックなわけです。
日常会話なんて何も考えずに体当たりで話せばいいのに。。
変化②:メンタリティーに関して
次に「メンタル面」に関してです。
そもそも今回、人生で初めて無職になったのですが
正直なところ、キャリア面では多くの不安が常につきまといます。
というのも、今まで、社畜だったワタシにとって仕事が頑張ることが生活の中心でした。
仕事を頑張って周りよりも成果を上げることで信頼を得て、達成感を得ていたタイプの人間です。
そんな仕事人間のワタシにとって無職になることはアイデンティティ喪失に近い状態になります。
まぁこれはある程度、覚悟はしていたものですが、日々のコミュニケーションすらままならない状態が続くと
「一体、自分は何をしているのだろう」
と、虚無感と共に不安が増幅していきます。
この漠然とした不安と対峙をするというのがもしかしたら一番のハードルかもしれません。
これはある種の修行だと思っています。。
変化③:時間の流れに関して
最後に「時間の流れ」に関してです。
これは良い意味で恐ろしく変わりました。
今まで社畜として時間を酷使してきた生活だったため
「これが人生の夏休みか!」
と思うほどにフリーの時間ができました。
これほどにリッチに時間が使えるのは、おそらく人生でイマしかないなと思うほどです。
そのため、この時間を使って家事・育児を行い(学校や保育園には入れ)つつも
今後、何ができるか、何をしたいか、何をするべきかを考えて試すことが可能です。
そのため、無理ゲーな環境ではあるものの
「この試練をどう突破するか」
という観点で考えてみるとなかなかクリエイティブな時間が過ごせそうだなと感じます。
30代で時間が好きに使えるというのは個人的には奇跡に近いですよ!
駐夫になるメリット・デメリット
では、実際の駐夫になった経験を踏まえてメリデメをまとめます。
ここでは「駐夫のキャリア」という視点で整理してみたいと思います。
駐夫になるメリット
メリットは何よりも
「冷静に家庭や人生を振り返る時間ができる」
と言う点です。
事実、ワタシ自身、自ら進んで残業も厭わないモーレツ社員だった過去をもつため
休日でも心は家庭にあらず、週明けの仕事に向かっていたダメ社員でした。
そんなワタシが無職になることで否応なしに考える時間ができます。
これが自分の人生という視点でみると一番大きいかもしれません。
また、それに付随する形で
- 家事に貢献でき家族との会話が増える
- 日本では得られない体験ができる
- 語学勉強のきっかけが得られる
長い目でみてこの3点は自分の人生においてかなりプラスに働くポイントだと思います。
特に、ニガテな語学をやるきっかけが出来たことで英会話の学習法を本気で考えることができました。
夫が家にいつもいる、こんな日がくるだなんて…!
駐夫になるデメリット
一方でデメリットは何か。
これはシンプルに1つで「キャリアブランクができる」という点です。
これをどう捉えるかが全てな気がします。
そしてこの捉え方は人によって全く違います。
どんな理由にせよ、会社を退職することとなった場合は
「この人のキャリアは終わった」
といった捉え方をする人は一定います。
(事実、転職市場では転職しづらい・マイナスになるという声も多く耳にします)
ただ、最近では社会的にこのキャリアブランクの捉え方が変わる動きがあります。
キーワードになるのは「キャリアブレイク」という概念です。
キャリアブレイクとは何か
キャリアブレイクという概念は、ここ数年で急速に広がっています。
例えば、日経などの主要メディアでも多くの記事(「履歴書の空白期間は不利」はもう古い?など)が記載されはじめています。
また、世界的ビジネスSNSリンクトインでもこの度、キャリアブレイクという項目が新設されるなど潮流が変わってきています。
当然、帯同している期間、何もしなければキャリアは大幅なマイナスですが
この期間をプラスに捉えて他の人にはない経験や努力をすると、転職市場などでも評価がされるケースがあるようです。
これは戦略的にキャリアを考えなければ…!
今後に向けて
以上「駐夫」について考えてみました。
今後も、男女平等にグローバル化が進む中で、「駐夫」は増えていくと思います。
今回、駐夫という生き方について整理してみましたが、駐夫(駐妻)のキャリアは良くも悪くも本人次第で評価が変わります。
ワタシのように退職してしまったら、もう後にはひけないので
この状況をどう前向きに捉えて、どう行動するかを考えるしかありません。
同じような境遇の人は、これを良い機会として語学の勉強など色々とトライしていきましょう!!٩( ᐛ )و
ご参考:駐夫になって感じたコト
備忘録的に駐夫になってみて感じたコトは、定期的に振り返って記事にします。
駐夫・駐妻になる人などは、リアルな声としてぜひご参考にしてくださいー!
割と情けないこともリアルに赤裸々に書いていこうと思います(´Д⊂ヽ
[…] 職業:脱社畜をしてカナダで駐夫(イマココ) […]